Introduction

2020年10月25日(日曜/昼)

縁寿 サイレント映画の旅

上映作品『毬の行方』(まりのゆくえ)
1930年 日本映画/サワタ映画製作所作品
監督:澤田順介、原作:佐藤紅緑、主演:山口定江
弁士:縁寿/楽士:松波里香(piano)/協賛:マツダ映画社(映像及び資料提供)
紙芝居『あなたもわたしも』
1944年 日本教育紙芝居協会製作/脚本:稲庭桂子/絵書:羽室邦彦

貧しい少女の健気に逞しく生きる姿を描いた感動の名作『毬の行方』。2010年クリスマスに品川区台場小学校で公演しましたが、このたび松波里香さんのピアノと共に、壱岐坂BonCourageにて甦ります!
教育紙芝居「あなたもわたしも」も語りのみで同時上演いたします。
日曜の午後、できればお子様とご一緒にご覧いただきたいと切に願っております。(縁寿)

パフォーマー紹介

  • 縁寿Enju / benshi

    縁寿Enju / benshi

    本名斎藤裕子。東京都生まれ。劇団ひまわりに入団し、18期研究科卒業後、公演部にて準劇団員として全国講演「小さい魔女」(主役)などで活躍。1988年劇団ひまわり退団後、劇団影法師の国際交流基金公演で、中国5都市、アセアン5カ国で“シルエットマイム”などを通してアジアの子どもたちと交流。同時に日本魔術団の伝統芸能“水芸(和妻)”のアシスタントやネタっことしても舞台に立つ。
    その後、劇団翔の会の劇団員などを経て、2000年東京キネマ倶楽部の弁士オーディションに合格。
    2001年リリアン・ギッシュ主演「散り行く花」で弁士デビュー。2002年春、女性弁士の草分け的存在の澤登翠に弟子入り。
    2017年秋、フリーとなる。
    2018年より弁士名をを本名から「縁寿」と改める。
    イキのいい活弁を披露して新境地を開拓。明朗闊達時代劇からロマンティック・メロドラマまで、役者出身ならではの感性で演じ、守備範囲は広い。かのビンボーバトル番組テレビ朝日「銭形金太郎」では優勝を遂げてしまい?NHK「BSプレマップ 新作海外ドラマシリーズ」では番組宣伝を活動弁士としてつとめるなど、新分野への挑戦もめざましい。

  • 松波里香Rika Matsunami / piano

    松波里香Rika Matsunami / piano

    国立音楽大学音楽教育学科リトミック専修卒業。
    2000年 ビン笛À.B.B.(アベベ)メンバー
    2002年 プカプカ音楽教室開設 ピアノコース・プカプカ音話スタート
    2005年 プカプカリトミックスタート
    2010年 社会福祉法人 つみき(王子)や親子サークル プリズム(東村山)にて発達に寄り添った音楽プログラムを実施 劇団風の子「小さい劇場A〜ぞうのエルマー」音楽スタッフ
    2017年 ガイドヘルパー資格・難病のこども支援プレイリーダー認定
    また、サイレント映画の伴奏も行い、多方面で活動している。

    ■教育映画『毬の行方』
    1930年(昭和5年)サワタ映画製作所作品
    監督:澤田順介
    原作:佐藤紅緑
    出演:山口定江、佐々木美代子、筒井徳次郎、立花敬輔

    解説
    大阪西成区にあったサワタ映画製作所は、早くから「部落問題」などを扱った映画を作っていた。殆どのキャストを一般のオーディションで選出。波速区と西成区に住む子ども達が出演し、同地域オールロケで撮った作品。「西成差別」などという言葉が生まれる前の昭和5年作品。原作はサトウハチローの父・佐藤紅緑の少女小説。
    貧しい馬方の娘・一子(かずこ)は、貧乏を理由にいつも旧友にからかわれている。裕福な画家の娘・禮子(あやこ)だけが、一子の味方であり親友であった。禮子との友情を支えに、けなげに逞しく生きていく一子を描いた一編。

    ■教育紙芝居「あなたもわたしも」
    1944年(昭和19年) 運輸通信省鉄道総局委託作品
    脚本:稲庭桂子
    絵書:羽室邦彦
    製作:日本教育紙芝居協会

    解説
    日本の教育紙芝居の礎を築いた稲庭桂子の脚本と、戦時下においてもその瑞々しくヒューマニズムに溢れたタッチで、人々の心の泉を沸き立たせたであろう羽室邦彦の絵書が素晴らしい。朝ドラ「エール」でもひとつの大きな題材となっている「戦意高揚」を目的として依頼されたのであろう一編の物語は、その意図や軌道を超えて、世に送り出した作り手達の平和を願う心をじわりと感じさせる。